過去を懐古することは、詮のないことだと。
あたかも悟ったかのように笑みを零した、そんな時があった。なにを言ったところで過ぎ去った日々は戻らないのだから、今と未来を生きればいいのだと、傲慢にも前向きに信じた時間が。
「昔は良かった、なんて ね。」
意味がないことは誰よりわかっている。
痛いほど理解している。時計の針は一方向にしか動かない。
それでも、戻りたいその場所があることははたして幸か不幸か。ただひとつ確かなことは、かつては何より安らぎだったその場所は、今となっては小さな鳥籠に思えているその実感だけ。
テーマ:【ぬくもりの記憶】
12/10/2025, 10:40:05 PM