朝日が昇る前に。アラームよりも先に。ましてや鶏すら起きる前に。夢見心地の飼い主を起こすのは濁音のついた鳴き声をあげる飼い猫のちー子だった。おはよう、ちー子と声を掛けると喉をゴロゴロと鳴らし、顔に頬ずりする。湿り気のある鼻が私の顔を嗅ぎながら必死にご飯を要求する。終いには鼻をご飯だ!なんて舐めてくるものだから、堪らず起き上がってちー子を見つめた。お互い見つめ合いながら一歩も動かない。ちー子のあの時の威勢はどこへ行ったのか。空の皿の前に立ってこちらを覗う。ちー子はその状態で短くか細く鳴いた。まるで幼い子供の地団駄に似ていたものだから私はつい笑ってしまった。
9/6/2024, 2:36:46 PM