チリンと涼やかな音が鳴る。
聞こえてきた方向に樹は目をやると、透明なガラスに、青色の絵付けがされた風鈴が目に入った。
生ぬるい風が吹くたびに揺れる風鈴と、縁側に置かれたスイカを交互に樹は見やると、ガタッと卓から離れた。
すると、それを見ていた君もこちらに寄ってきて、縁側に腰掛けた。
風鈴の音に、シャクシャクという音が混じる。
瑞々しいスイカの甘さは、熱く火照った頭を少し冷やしてくれる。
チリンという音に、今度は君の声が混じる。
「樹のことが好きみたい…だから、付き合ってくれ る?」
いささか言葉足らずな告白に樹は苦笑を漏らすと、君の顔を見る。
まるで、スイカの甘さが機能していないみたいに、火照りを隠さない君の頬は、微かな赤みを感じる。
「ごめんね」
可愛らしい二重の目が見開かれると、反論の余地も無いように、樹は言葉を繋ぐ。
「ごめん、僕から言うつもりだったのに。
改めて言わせて――君のことが好きだから、付き合ってくれませんか?」
樹は、君とそこまで変わらないような告白になってしまったことに恥じながら、返事を待つ。
「もちろん」
真夏の太陽と並ぶその笑顔は、明るく輝いていた。
生ぬるい風が再び吹くと、チリリンと鳴る青色の風鈴は、二人の壁をそっと除いた。
触れ合った手と手は、お互いに少し汗ばんでいた。
生ぬるい風は夏を届けに、澄んだ青い空に飛んでいった。
#青く深く
6/29/2025, 1:40:44 PM