玲奈

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バレンタイン

「あの、好きです。」
チョコレートを渡すとともに咄嗟に出た言葉。
情けない声が放課後の静寂に溶けていくのが自分でも分かり恥ずかしくなった。
「それで?」
君の強気な言い方は、今にも消えてしまいそうなか細い声にはとても似合わなかった。でも、僕は君のそんなところが好きになったんだ。僕は知っているよ。いつもツンとしているけど、本当は優しいこと。だから、自信をもって君に伝えられる。
「僕と付き合ってほしいです。」
僕がそう言った瞬間、君は優しく微笑み、ゆっくりと口を開いた。
「その言葉が聞きたかった。お願いします。」

2/14/2023, 12:30:17 PM