創作 「風に乗って」
ストローの放射状に開いた先からふくふくとシャボン玉が膨らむ。割れないようにストローから切り離すと音もなく空中を漂い、ふっと消えた。
今度は細かい泡をたくさん作る。虹色の軽やかな宝石たちはくるくると風に舞い、ゆっくりと地面に降りて姿を消した。
やがて、夕焼けが辺りを染める。遊んでいた子どもは家路をたどって駆けて行く。いくつものシャボン玉がまだ、ふよふよ、ふわふわ風に乗って遊び、遠くの空へと帰って行った。
(終)
4/30/2024, 3:34:36 AM