春小豆

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今日のためにとここ数日は
甘い素材たちと向き合ってきた

完璧なものをきみに渡したくて…
練習通り作れればバッチリ…!

だったのに……
甘い素材たちはとても完璧と
呼べないものに変身した

食べれなくはない…
美味しいとも言えないし
可愛いとも言えない……

作り直す時間も素材ももうなくて
とりあえずラッピングだけは
ていねいに包んで家を出る

1日きみに渡せずに時間が
過ぎていく。
もうなかったことにしちゃおうか…
なんて思っていると
ばったり、きみに出会ってしまう。

期待している瞳に、忘れてた、
なんて言えるわけなくて
ひとことごめんねとだけ言って渡す

きっとがっかりしちゃうよね、
もっと素敵なものを貰ってるよね
そんなふうに思っていたら

自分のために作ってくれたことが
うれしいんだと笑うきみがいる。
その笑顔が眩しくて
真冬なのにわたしが溶けちゃいそう。

来年は一緒に作ってみようか
君は言う。

来年も一緒にいていいんだ
なんて素敵なイベントなんだろう…

__バレンタイン

2/14/2023, 4:56:51 PM