歌
真夜中、昼間の明るさが嘘のようにとぷんと沈んだその時。
当たり前のように眠れない。
私はヘッドホンを引っ張り出してプレイリスト再生する。
何度も聴き続けて火傷のようにこびりついた曲をまた再生する。
曲目が増えることはない。
今までもこれからも同じ曲ばかりを焼き付けるのだ。
一曲目。
二曲目。
三曲目。
四曲目。
五曲目。
繰り返す度に思考は奥へ沈む。
流れに身を任せて頭は役割を放棄する。
まるで切れてしまった電球のように。
後悔ばかりが浮かぶ時間に、
その重みに潰されてしまわぬように。
俤ばかりに囲まれぬように。
心臓を掬い取って、死んでしまいたくなるから。
水のように流れて消えてしまいたくなるから。
溺死した思考に両手を組んで冥福を祈って眠るのを待つ。
5/24/2025, 5:51:55 PM