ぬるく、湿り気をまとって部屋に入ってくる風は古い記憶も一緒に連れてきた。
あの日は今よりももっと蝉が鳴いていたような気がするから、7月も後半だったのだろう。
学期末テストも終わり、夏休みを前に少しばかり浮つく教室。
休み時間ともなれば、近しい友人らがお互いの予定をすり合わせて盛り上がっている。
やれ花火だ、プールだ、お祭りだ。
夏は自分で盛り上がらないと楽しめないんだ、と男でも惚れる友人が語っていた通り、ただ暑さから逃れてクーラーの効いた涼しい部屋で余暇を楽しむだけでは勿体ないくらい、楽しげなイベントで溢れかえっている。
どれか好きなものがあればいいのだけれど。
『友だちの思い出』から『恋人との思い出』に。
7/6/2024, 3:57:18 PM