みかん
冬のある夜。こたつに入って彼氏の康太君とテレビを見ていた。
「なあ。これからもずっと俺とみかん食べてもらえないか。」
あまりに突然で何を言われたのか理解できなかった。
「どういうこと?」
「どういうことって、お前なぁ。プ、プロポーズに決まってるだろ。」
康太君は顔を真っ赤にしながらちょっと怒っていたが、今のはプロポーズだったのか。私は急に顔やら耳が熱くなるのを感じた。
プロポーズって言ったよね。
「俺はみかん農家だからな。そういうことだよ。」
そういことって。うん。そういうことだ。
私はみかん農家の嫁になった。
みかん畑は斜面にあり、作業をするたびに登ったり降りたりするのが大変だ。
でも、晴れた日にはみかん畑から見える青い海と空は太陽に照らされキラキラと輝き、疲れを忘れさせてくれる。
これからも康太君と一緒に美味しいみかんを作っていきたい。
12/29/2024, 12:38:55 PM