家族アルバムを数年、いや十数年ぶりに開いてみる。
若い両親が二人で写ってる写真、300系の新幹線と一緒に写ってる笑顔の幼い兄、元気な祖父と祖母、ベビーカーに乗ってる赤ちゃんの自分……
いろんな場所へ旅行に行ったんだなぁとしみじみ思っていると、色あせた手紙を発見した。
こんなもの挟んだっけ? と首を傾げながら手紙を開くと、そこには拙い子供の字でこう書いてあった。
『おとうさん いつも おつかれさまです。
おとうさん だいすきです。
おとうさんの おち◯◯ん まっくろけです』
……最後の一文で吹き出した私は悪くないと思う。
というか、誰がこんなものを書いたんだ!?
笑いを堪えつつ母に訊くと、なんと私が幼稚園児の頃に書いたものだと言う。
で、その一文は母が半分悪ふざけで『こう書いたらお父さん喜ぶよ〜』と言ったら真に受けた私が大真面目に書いたらしい。
……おお母よ。子供になんてことを書かせるのだ。
だがそれよりも、なんでアルバムにこんなものを挟んであったんだろう……?
母は知らないと言うし、父も兄もわからないと首を横に振った。
……謎は深まるばかりである。
5/5/2025, 12:25:08 PM