テーマ 溢れる気持ち
この気持ちを留めておくのはもう無理だ。
意地張って突っかかっていた自分が一気に恥ずかしくなる。
何バカな事してたんだよ、俺。
今まで本当にごめんな。
半年前のケガで部活は困難に。
在籍はしているもののリハビリで一緒に活動できない日々。
強くなる仲間を見て、治らない傷に焦り、
どんどん自分自身を見失っていった俺。
捻くれていくのも必然と言って良い程条件が揃っていた。
そのせいでクラスメイトも部活のメンバーとも
精神的な距離が生まれて溝は深くなっていった。
そんな中でもアイツは毎日いつもと変わらない姿で、
毎日俺に声をかけてくれていた。
何なんだよ、と捻くれていた俺は気が付かなかった。
いや、気が付けなかった。
アイツは俺の事見捨ててなかった。
なんだかんだでアイツは俺の近くにいつもいてくれたじゃねぇか!!
スッと息を吸って溢れた言葉。
「ダイキ!!ショボくれてんな!ダセーぞ!!」
俺は今までにないくらい、周りが驚く程大きな声で叫んだ。
「マナト…来てくれたんだ…。」
ダイキは呟くと、袖で滲んだ汗と涙を拭いた。
そして静かに目を瞑り、ゆっくりと相手を見つめ直した。
「⁈」
目つきが変わり、闘志が輝く瞳。
まるで牙を剥き出しにした獅子のよう。
「(そうでなくちゃ、お前じゃねえ。)」
頷く俺。
ふと相手選手をみると
気迫に圧倒され、微かに震えているのが見えた。
2/5/2024, 1:30:55 PM