【大地に寝転び雲が流れる…目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?】
※創作
「私」は今日1つ、間違いを選んでしまった。やらかした。
...いや、今思えば最初から何もかも間違えていたのかもな、うん。
少し不安定な思春期の脆い心は、何を思っても少しネガティブな考えになってしまう。
なんと厄介なパーツなのだろうか、不用品に出したいくらいだな。
ため息をついているあいだもぐるぐると無駄な思考が回っていく。
何を隠そう、この不良品(私)は今日も今日とて元気に(?)虐められていた。
最初はちょっとしたイタズラ、だった。
あほだなぁで済ませた。
ただ、毎日毎日あいつらは『レベルアップ』していった。
RPGだったらとっくにボス攻略してんな...と思うほどには。今はもうイタズラの度を越している。
でも逃げるような度胸すらも持ち合わせてなくて。
誰にも言えない。助けてが口から出てこない。喉でつっかえてぐちゃぐちゃな感情が沢山詰まった腹の中に帰って行く。
でも、今日は少し勇気を出してしまった。
ただひたすら耐えれば良かったのに。膝を抱えて、来るはずもない理想の王子さまとか、1人で待ちながら。
反抗、してしまったんだ。
「もうやめて」
その一言だけで、あいつらは自分達を否定された気分にでもなったんだろうか。
いつもよりこっぴどく殴ったり蹴ったり、お弁当を全部床にぶちまけたり。
あ、髪の毛ちょっと抜けてたなぁ。
禿げてたらどうしよう。
んで、流石に保健室の先生に捕まって帰された。
今は帰り道だったりする。
あいつらは見える所に傷は付けない。
それでも先生に捕まったということは顔色、やばいんだろうなぁ…
まぁ誰もいない川沿いの道を歩いていくのは気分がいいな。
あちこち痛くはあるけれど、ぽかぽかとした優しい風が吹いていて、穏やかな気持ちになる。
あ、ベンチだ
うーーん……少しなら良いか、休もう。
この時間にあいつらは来ない。
それだけで幾分か呼吸がしやすい気がする。
久しぶりにこんな穏やかな時間が過ごせているなぁ…
私の上のにはひたすら広い、少しの白を添えた鮮やかな青が広がっていた。
5/4/2023, 10:48:52 AM