「お姉ちゃん、マサトってだーれ?」
「え?誰よその人、私も知らないけど」
起床すると、同じ部屋の隣のベッドにいる妹から聞かれた。でも私の知り合いには、マサトなんて人はいない。全く心当たりがないのだ。
「どうしてそんなことを聞くの?」
「だって、お姉ちゃんが寝言でずっとマサト、マサトって言うんだもん」
多分、知り合いだったらもっと恥ずかしかった。
「絶対お姉ちゃんの彼氏だ!」
「違うから……。お母さんの前で言わないでよ」
顔を真っ赤にしながら、部屋を出た。
でも、夢の中の「マサト」って人に、なぜか会ってみたいと思った。
今夜の夢は覚えていますように——そう願った。
お題:誰か
10/4/2025, 12:46:06 AM