怖がりな私じゃ伝えられないこの想いを、
ぽつんと1人、風にとかして飛ばした。
風と、言葉と一緒に、この辛い気持ちも
飛んでいったら良いのにと、今度は涙が零れる。
いっそこと、
彼か私がどこか遠くへ飛ばされてしまえば良いのに。
そうすれば、あなたのこと忘れられるのに。
そんな言葉を風に溶かしていると、
彼の声が聞こえた。
風にとけない、
真っ直ぐ私の耳に届く
聞けば聞くほど胸が疼いて辛い、あなたの声。
そんなあなたの紡ぐ言葉は
私の言葉をとかした風と、私の泣き声に妨げられて
上手く聞こえなかった。
「届かぬ想い」
4/15/2023, 11:06:37 AM