静かなる森へ 未来への船 です。
静かなる森へ
静かなる森へ足を踏み入れると、そこは幻想的で、現実ではないような空間が広がっていた。
そよぐ風に吹かれて木の枝が揺れ、色とりどりの花が咲き、鳥が歌うように鳴く。まるで、絵本の中に入ってしまったよう。
「この世にいるような気がしない。別世界に迷い込んだみたいだ」
精一杯腕を広げ深呼吸をすると、気持ちが穏やかになる。
「疲れたら、また来よう。それで…」
大切な人ができたら2人で来よう。その日が来るのを楽しみに、森を後にしたのだった。
未来への船
「未来への船があったら、どこに行きたい?」
キミと話していると、唐突にそう聞かれる。
「1年後?5年後?10年後?それとも、もっと先?」
未来への船か。望めばきっと、どの未来でも連れて行ってくれるんだろうけど…。
「僕は、未来がどうなっているのか、知りたいけど知るのは怖いし、わかってしまったら、つまらないな。とも思う。だから、未来への船があっても乗らないと思う。けど」
キミの手をそっと取り
「どの未来に行ったとしても、僕の隣にはキミがいる。それだけはわかるよ」
そう言うと、キミは嬉しそうに微笑むのだった。
5/12/2025, 8:06:16 AM