「ナニコレ…」
「お土産。君の感情にあわせて色が変わるんだよー。」
透明な水の入った小瓶を揺らす。
ちゃぽんと音がした。それだけで、水の色は変わる気配はない。
「これ、不良品か、騙されたんじゃない?色変わんないよ」
瓶をくれた彼女の方を見る。
「えー。ちゃんとしたところから買ったんだよー。騙されたはないよー。不良品はあるかも」
小瓶の水はまだ透明。
「私そろそろ帰るねー。他の子にもお土産配らなきゃだし。」
「うん、わかった。またね」
元気に手を振りながら帰って行く。
うん。やっぱり騙されたんだな。
君が帰って、一人になって、こんなに寂しいのにまだ水は透明なままだ。
5/22/2023, 12:03:11 AM