【別れ際に】
「お兄ちゃん!大好き!」
「お兄ちゃん、いつもありがとう。」
「お兄いつもゲームし過ぎ、またお母さんに怒られるよ?」
「お兄なんて嫌い。気色悪い、近寄らないで。」
「……あいつなんて…知らない。ほっとけばいいんじゃない?」
「……ごめんなさい。」
ある日お母さんにスーパーへ私の大好きなシチューの買い出しを頼まれた中学2年生の土曜日の話。
シチューが食べられるのは嬉しいけど、今日は友達と遊ぶ約束があるのに、なんで私が…。
と文句を垂れてとぼとぼと交差点を歩いていると、青信号なのにも関わらず突然キィーと音が鳴った。
振り返ると、約時速100kmで突進してくるトラック、そしてそのトラックが向いている先には私が居て、今すぐ避けないと轢かれてしまうということを理解するのに少々時間がかかってしまった。
脳が現在の状況を理解し終え再度トラックを見据えた時、既に足掻いても手遅れだと悟り、車に轢かれて死ぬんだと覚悟した。
その瞬間周囲の人は目を丸くして私達を見ていただけだった。
でもそのうちの勇気ある1人の男性は、自身を顧みずにこちらへ向かって走ってきて両手で私の背中を力強く押した。
私はそこで気を失った。
後日、病院で目を覚ました私は地面に打ち付けられ痛む体を起こし、近くにいた看護師に
「あの男性は…、
私を助けてくれたあの方は一体誰なんですか…?
生きているんですよね…!!?」
と震えた声で問いただした。
主)寝ます、続編は気が向いたら追記します。
(1度で最後まで書けない人)
φ(..)メモメモ
私が大好きなシチューはお兄ちゃんも大好き。
お兄ちゃんっ子(?)
ある日を境に一通の置き手紙を残し家を出た兄。
助けてくれたのは今も変わらず大好きなお兄ちゃん。
お兄ちゃん死んでる
最期の別れ際に、「……ごめんなさい。助けてくれてありがとう、大好き。」
ちなみにトラックの方は意識を失っていらっしゃる
ありがちなシチュだけど、定期的に読みたいですよね。(
9/28/2022, 2:41:40 PM