ブルーハワイに浮かぶ、わたあめ。
それは、青空に浮かぶ、白い雲。
わたあめは溶けてゆく。
甘さを一層と増して、青空はその面積を広げてゆく。
もはや、雲ひとつない青空。
頭上を覆う、ブルースクリーン。
地球は青く、世界は灰色だ。
雨雲がどこまでも広がり、時折遠雷が響く。
傘をさしても無意味な横殴りの雨に、びしょ濡れになりながら、昨日の失敗を反省する。
天気予報は雨続きで、空は鉛のような重さを持って、電車の窓の外に垂れ込める。
ブルーハワイが飲みたい。わたあめが食べたい。
人の心は空の色ひとつに左右される。
僕達の天井。
見上げれば、汚れたわたあめの隙間から、照明弾のような光が漏れる。
あの光は、僕達をどこへ導いてくれるのか。
南の島へ行きたい。地上の楽園へ。
ブルーハワイが飲みたい。マシュマロが食べたい。
マシュマロは空に溶けて、糖分過多の甘味となる。
こんな日常は、こんな無意味な空想を心に描かせる。
空想。
空に溶けてゆく想い。
わたあめと混ざり合って、青空を少し白く霞ませる。
今日の空は、そんな色。
5/21/2025, 1:50:25 AM