霧雨

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【真夜中】
それでは、今日はイメージの世界が2つに分裂した話を書きましょう。

気がつくと、私はまた白い世界に横たわっていました。
確か、甲冑さんが亡くなって、足元の亀裂から落ちて───
何故かまた白い世界にいる。
(どういうこと……?)
とにかく、私はまだ死んでいないようです。
何だか疲れて、ぼんやりしていると、
「あれ?君、誰?」
突然声をかけられました。
振り向くとそこには派手な髪色をした少女がいました。
服は私と同じ白いワンピースでしたが、私のとは違い、彼女のはフリルがついて、ふわふわした、可愛いワンピースでした。
髪色は、色とりどりのわたあめのようで、パステルカラーが目立ちました。
「あの、あなたは……?」
私が尋ねると、彼女は輝くようにニコッと笑って言います。
「あたし?あたしはラギーだよ!」
ラギーからはいくつもの話をききましたが、驚いたのは、世界が分裂したという話でした。
「あたしも急なことでビックリしてる。あ、でも、黒の世界には行ってはいけないよ」
「え、それはまた何で?」
彼女はどこか遠い目をして言いました。
「とても暗いところなの。真夜中みたいにね。あなたにはまだ危険だよ」

5/17/2024, 8:19:49 PM