思いつきなんちゃって小話

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【どこまでも続く青い空】
『海と空が広がって、繋がっている!』
海に来る人間はよくそういう。

魚の私に言わせれば、
空は海と繋がることは永遠になく全くの別ものだ。

海から顔を覗かせてみても、この海と繋がっているはずの空には私のヒレは届かないのだから。

見上げれば、海と同じ色の大きな大きな青空が見える。
海を映す鏡のようなその姿に、魚の私が憧れを抱いてしまうのは罪なのだろうか。

1度でいいから、空に飛び込みこのヒレで空を掴みたい。
そう思うのは、罪なのだろうか。

そんな考えに溺れながら、波の奥に空を見ていた。
重力に呑まれ、眠りに落ちるようにゆっくりゆったり
わたつみへ沈んでいく。

羨ましい、私も空飛ぶ鳥のように自由に空を泳ぎたい。
今の姿では無理なので、そっと目を瞑り神に祈った。






悲しげに物語ったあと、
彼女はその陶器のように白く美しい腕を日に透かした。

「神なんていないのかもね。」

そう呟く彼女の横顔は、この憂き世でも自分の手で空を泳げないことを、悔やんでいるのように見えた。

10/24/2023, 10:27:42 PM