前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
都内在住の稲荷子狐が今月から、ここに週休完全2日制で修行に来ておりました。
前回投稿分で子狐、甘いあまいナッツソース+アイスクリームと苦いコーヒーを合体させた、大人の飲み物を知りまして、
どうやらそれを教えてくれた人間は、管理局の法務部に所属している野郎で、
ビジネスネームをツバメと言うようでした。
このツバメにくっついて居れば更なる料理に出会えるかもしれません(お題回収開始)
コンコン子狐はもぐもぐもぐ、全部の美味しいお昼ご飯を食べ終えますと、
姿勢を低くして、局員ツバメにバレないように、スサスサスサと高速忍び足からの、んばっ。
ツバメがぼっちでコーヒーを飲みながら、緊急性も守秘性も無い書類を見ておる隣に陣取ります。
「わっ?!」
野郎ツバメ、子狐を何かと勘違いしたようです。
ドチャクソにビックリして、文字通り飛び上がって、子狐が子狐と気付きますと、
大きな、長いため息を吐きました。
「なんだ。きみか」
コンコン子狐はツバメのテーブルを見渡しました。
あるのは書類とコーヒーだけです。
再度見渡しても、あるのは書類とコーヒーです。
アイスとコーヒーの混ぜもののような、子狐にとっての新しい料理は、どこにもありません。
「たべもの、ない」
「そりゃあ、食べ終わりましたから」
「なんで、たべて、たべて」
「だから、もう食べ終わりましたよ」
パタパタパタ、ぱたぱたぱた。
子狐はまさしくお題のとおり、
ずっと隣でツバメのことを、じーっと見ています。
「面白いものは何も無いよ」
野郎ツバメは、子狐をノールックなでなでしてくれますが、特に何か、新しい料理は頼みません。
「!」
子供のコンコン子狐は、突然、気付きました。
この人間は子狐に、子狐の知らない美味しいものを子狐自身に取られたくないから、
きっと、美味しいものを頼むのを、我慢しているに違いありません!
「いや、そうじゃなくて本当に満腹でだね?」
そうです。ゼッタイ、そうなのです。
「こぎつね??」
こうなったら子狐は、ずっとずっと、ずーっと、
今日はずっと隣で、ツバメのシークレットご馳走を、調査するべきです。
しゃーないのです。
子供というのは、そういうものです。
ぶんぶんぶん、ブンブンブン!
コンコン子狐はツバメが我慢してるであろう、シークレットご馳走を想像して、尻尾が高速回転!
子供の狐の尻尾というのは、幸福な興奮が最高潮に達しますと、「振る」というより「回る」ように見えることが、往々にしてあるのです。
「キツネ、まつ!キツネだまされない」
「弱ったなぁ……」
コンコン子狐は、ずっと隣です。
いっちょまえに狐らしい執着を発揮して、むっ!
ツバメが「いつか頼むだろう美味」を待ちます。
子狐は信じているのです。
「まだ?」
「食べないよ」
「まだ?」
「だから、食べないよ」
「まだ。」
「待ってても何もありませんよ。
向こうで遊んでおいで」
コンコン。こんこん。
子狐はその後10分くらいツバメの隣に居ました。
だけど最後までツバメが何も、本当に何も食べないので、子狐の方が根負けしてしょんぼり。
「けち」
テイクアウトに美味しいお餅とお肉を持って、お昼寝場所へ戻ってゆきましたとさ。
3/14/2026, 3:44:23 AM