『お手すきの際にどうぞ』
その言葉が大嫌いだ、虫酸が走る。
まず大前提として、俺は自己愛が強い。人の予想を遥かに上回る熱量で自分という存在を自分で褒め称えている。ナルシストではない。というか自分が好きではないし誰よりも優れているとは思っていない、むしろ劣っていると自覚している。自己『愛』なんて言い方するから誤解されるんだろうけど。
誰かに認められたい!
認めてもらえるほどの能力も何もない…
でも認められたい褒められたい!
だったら自給自足すればいいんじゃね?
そういう単純な思考でもって俺の自己愛は加速していったのである。だから常にご機嫌で笑顔で心穏やかに日々を過ごしているのだ。
最も勘違いしてほしくないのは、常にご機嫌だからって悩みや負の感情がないなんてことはない。むしろ悩み抜いて出した解決策がそれだけだったと声を大にして言いたい。だから、俺を使って不幸に浸るようなことをするな。
冒頭の言葉はへりくだった、まあ、ただ相手をいい気分にさせるための言い回しだと分かってはいるのが、どうにも己や己の努力を踏み潰しているように感じて嫌いなのだ。
時間をかけて作り上げたものを片手間で軽く扱われるのを容認する言葉。頑張ったのに頑張ったとアピールできない、頑張りを誰かに認めてもらうチャンスを溝に捨てるような行為。
俺以外にも、なんか聞いてて不快な言い回しがある人っているのかね。こんな話すぐバカにされるから誰にも言えずにモヤモヤする。
ああ、ほら。俺はちゃんと能天気なだけじゃないだろ?
…ちゃんと、何かを考えられるんだ
【題:心のざわめき】
3/15/2025, 10:28:13 PM