琥珀

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「凍てつく鏡」

 小5以来の私は、自分の容姿に対する、他人からの評価を恐れていた。かといって直接貶されたことはないし、陰口を言われた訳でもない。それでも常に不安になるのは、私の笑顔がいつも引きつっているせいかもしれない。私は成長と共にいろんな笑顔を覚えた。苦笑い、愛想笑い…今はどんな顔で笑えばいいのか、よく分からない。写真でも、動画でも、友達にも。
 そんな私にも、一緒に登下校する友達がいる。今日も隣を歩いている、真以だ。真以は背が高くて、さっぱりした性格をしている。何を考えているか分からないことも多いけれど、私も真以といると気が楽で、心地いい。だから、私は割とよく話す積極的なタイプに見えているんじゃないかと思う。
 あれこれ考えていると、真以が突然走り出した。向かった先は、田んぼの近くの大きい水たまり。表面に氷が張っているのを見ると、真以はキシキシ軋ませながら、パリパリ氷を割り始めたのだ。
「沙知!これよくやって帰ってたよね、昔」
私もそっとつま先に体重をのせた。その瞬間、バリッと大きく割れて、私の靴はずぶ濡れだった。「つめたーっ!!」骨まで冷えた足先とは反対に、恥ずかしさと可笑しさで、私たちの中はぽかぽかだった。割れた氷の隙間から、青空を映した水面が広がっていく。さっきの衝撃で少し濁っていてはいても、その水面は確かに私の心からの笑顔を映し出していた。
 

12/27/2025, 6:20:51 PM