劣等星

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ー 一輪の花 ー
昔の頃の話。学校で人気者のあの子が自殺したと聞いた時、生徒の皆は多くの花や、あの子が生前好きだったものを机に置いていった。
別に親しかった訳でもないし、良くさせてもらったこともなかったけれど、場の雰囲気に合わせて1輪だけの花を机に手向けた。

ある時、クラスでいじめが起きて、私はそれに気付かないふりをした。
クラスのリーダーに逆らってはいけない気がして、何も出来なかった。
すごく痛い事だったけれど、他人事として流すしか無かった。
挙句の果てには、机に酷い落書き…というのは元からだったが、一輪の花が置かれ、葬式ごっこのようなものが起きていた。
先生に相談しても見て見ぬふりだった。
誰も、助けに行こうとはしなかった。
私は、もうそれ以上気付かないふりをすることは出来なかった。




自分の部屋で、前々から考えていた策をだす
すごく怖いことだけれど、あれを毎日見るよりはマシなはずだ。

そして私は、自分の首を縄にかけた。

痛かった。心も、体も。
かつてのあの子も、こんな気持ちだったのだろうか。

昔の人気者のあの子みたいに、沢山の人に多くを望む訳では無いけれど、少しでもクラスメイトの気が変わればいいな。
これで、違う人にターゲットを変えないだろうか?

ああ、だけれどせめて一輪だけでいいから花を手向けてくれたら、少し心が安らぐかな。


2/24/2025, 3:03:17 PM