300字小説
サンタへのプレゼント
平日、単身赴任のサラリーマンのクリスマスの過ごし方なんて決まってる。
年始年末の休暇に間に合うように、昼休みまでずれ込んだ仕事をひとまず終え、はしゃぐ冬休みの学生達を脇目に定食屋に駆け込む。
テレビの左上の時刻を気にしつつ、運ばれてきた食事をかきこみ……。
ピロン……。スマホが鳴る。妻からの動画付きメッセージ。再生すると
『サンタさんが来たぁぁぁ!!』
起きてすぐ枕元に置かれた、俺が送ったプレゼントの包装を破り捨て、高々と欲しかったおもちゃの箱を掲げる今朝の息子の姿。
途端に生姜焼き定食が、宮廷料理もかくやという味に変わる。
次いで妻からのVサインのスタンプ。
俺も同じスタンプを送ると動画をもう一度再生した。
お題「クリスマスの過ごし方」
12/25/2023, 12:13:32 PM