この方といられるのは、真夜中の12時まで。
時計を確認しながら、王子様と踊る。
ああ、もうすぐ12時、離れないと…
そう思っても、心と、王子様の腕は離してくれない。
どうしよう、魔法がとけてしまう…!
意を決して王子様から離れる。
急いで階段を降りて、ガラスの靴が片方脱げて、焦って取りに行くうちに、時を告げる鐘が鳴って、魔法がとけて…
ない。
ドレスはそのままだし、王子様も変わらず追いかけてくる。
な~んだ、嘘だったの、あの魔女の話は。
私ったら焦って、バカみたい。
「王子様!朝まで踊り明かしましょう!!」
そうして二人は、パーティーが終わるまで踊り続け、その後幸せに暮らしましたとさ。
──そのころ。
「ア!!魔法とき忘れてた!!!!!!」
【時を告げる】
9/6/2024, 11:03:18 AM