【溢れすぎた気持ち】
ずっと片想いの「彼女」はこの気持ちを伝えたくて、
ラブレターを書くことにした。
ところが、
いざ、書き始めてみると今までの気持ちが溢れ出し
抑えきれなくて、用意した便箋を使い果たしてしまうほどの長い長いラブレターになってしまう。
ひとしきり、長年の気持ちをしたためた「彼女」は
疲れてしまい、明日封をすることにした。
_____
月明かり差し込む
ひと気のなくなった部屋
閉め忘れた窓から風が吹き込んで
机の上の便箋をパラパラと落とすと
便箋に書かれた「言葉」が浮き上がり
月明かりに導かれ窓の外に出て行ってしまった。
床に散らばっているのは白紙の便箋たち
でも、1枚だけ「言葉」が残っている便箋があるようだ。
書かれているのは___
「ずっと前から好きでした。
私と付き合ってくれませんか?」
.....
明日、目が覚めた「彼女」は、とても驚くだろう。
でも、「彼女」の気持ちを伝えるには、この言葉たちだけで充分、きっと大丈夫___
それにしても、
勝手に溢れ出した「気持ち(言葉)」達はどこに行ってしまったのだろう?
どこかで誰かの気持ちの後押しをしているといいのだけれど....。
お題「溢れる気持ち」
2/6/2023, 7:47:49 AM