私は時折、宛所のない手紙を書く。かつてふたりで夢を語り合ったあのひとへ、届けたい想いを綴ってみる。
元気にしていますか。
まだ夢を追っていますか。
私はあの頃の夢は途絶えてしまったけれど、今は新しい夢を追っています。
あなたがあの夢をまだ追っていても追っていなくても、元気だったら嬉しいです。
毎回こんなようなことと、自分の近況を書く。
届かないのに、届けようがないのに、書く。
もうずっと前に疎遠になって、連絡先もわからないけれど、あの頃の絆はまだ私の中で消えない輝きを放っているから。
これはたぶん儀式みたいなものなのだ。
書いた手紙に封をして、いつもの引き出しにしまったら、それで終わり。
私はまた自分の夢を見つめて、毎日を生きていく。
6/18/2025, 9:55:38 AM