囚人

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雨音が響き渡っている深夜のことだった。ある森の奥深く、1人の老いぼれが泣いていたのである。その老いぼれは、妻を亡くしたばかりで、悲しみに暮れていた。1人で立ち直ることも、かといって死ぬことも出来ず、ただ1人で泣いているばかりだった。
そこに、1匹の犬が現れた。老いぼれの傍に駆け寄って、まるで「大丈夫だ」と慰めの言葉をかけているように、優しく涙を舌で舐めとった。老いぼれは犬を、生まれ変わった妻だと思い、共に過ごすことにした。老いぼれには笑顔が戻り、犬と幸せな時間を過ごした。

6/11/2025, 1:22:53 PM