美坂イリス

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ただ、必死に走る私。まるで、何かから逃げるように。

ふと目を覚ませば、時刻は午後三時三十七分。太陽はまだ高く、街を照らしている。
「……」
けれど、何かが普段と違う。そんな違和感を感じて、私は家を飛び出す。

真夏の太陽が白く照らす街。それだけに陰は暗く、まるで、白と黒の二色に分かれている。その街を駆けていくうち、私は気付いた。

ここには、誰もいない。

誰もいない街を、私は走る。止まってしまえば、私もいなくなってしまうかもしれない。そんな恐怖から逃げるように、ただ、必死で走り続ける。



そんな夢を、見た気がする。

5/30/2023, 10:24:29 AM