『バカみたい』
そんな事言わないで、あなたはそんなことないよ。って、言ってほしいよね。
私は、百人一首が好き。クイーンを目指してるの。
私のあだ名は千早。
ところで千早って、知ってる?
ちはやふるの主人公。
私の大好きなキャラクター。
そんなあだ名をつけてもらって、嬉しい気もするけど、少しプレッシャーも感じる。
私の小学校には、百人一首大会がある。
その時『お前は千早だろ。絶対負けんなよ。』と、謎のプレッシャーをかけられる時があるから…。
私には、百人一首のライバルがいた。
その子の名前はもみじ。
もみじちゃんも、クイーンを目指している。
そんな私に、ドキドキする対決が始まる。
小学校の百人一首大会で、対戦することになった。
私は、少し緊張していたけど、もみじちゃんはリラックスしているように見えた。
「…勝てるかな。」
結果、負けた。
しかも、札をほぼほぼ取られた。
『フッ、千早もこんなもんやったんか。楽しくなかったなぁ。もっとレベルアップせんと、私には勝てへんで。』
もみじちゃんはそう言った。
「…もみじちゃん、楽しくなかったんだ…。
今年最後の百人一首大会なのに。」
そう。もみじちゃんは違う中学校に行くから、もう会えない。
だから、最後の百人一首大会は楽しく終わりたかった。
『千早、ほなまたね。いつかどっかで会えたらええけど。』もみじちゃんはそう言うと歩き出した。
私に背を向けて。
「ま、待って!!もみじちゃん。」
『なんや?』もみじちゃんはふりかえった。
「…また、百人一首一緒にしようね。」
もみじちゃんは笑った。『クイーン戦で待っとる。早よあがってこい。』
そして建物の中に消えていった。
時は流れ、高校生になった。
あれから、もみじちゃんとは会えていない。
でも今日、会える。
だって、クイーン戦に出るから!!!
もみじちゃん、どんな反応するかな?
「もみじちゃん、どこにいるかな?」
『あんた、千早か?』もみじちゃんだ!
「もみじちゃん!!やっぱりいた!やっと会えたね。」
今日は、何故か勝てる気がした。
でもダメだった。
「…負けた。」
『千早、前と変わっとらんな。』
もみじちゃんは、一言だけ言って帰っていった。
私、バカみたい。
もみじちゃんに勝てる気がしたなんて。
百年早いよ。
もみじちゃんの、クセが強い京都弁が頭の中で繰り返し流された。
3/22/2026, 11:05:31 AM