霜月 朔(創作)

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眩しくて



太陽の陽射しが、
余りに眩しくて、
ボクは部屋に逃げ込む。

明るい陽射しは、
ボクの闇を、傷を、
白日の下に晒すから。

ボクは、太陽から逃げるように、
薄暗い部屋の隅で、
真っ白い腕で、膝を抱えてる。

無遠慮な太陽の眠る、夜。
ボクは部屋から抜け出し、
天を仰ぐ。

空に輝くのは、
優しく輝く月と、
健気に微笑む数多の星。

月も星も、眩しくて。
でも、何処か優しくて。
不意に涙が溢れる。

こんな夜に思い出すのは、
アイツのこと。

アイツは、
いつも、正しくて、真面目だから、
堂々と眩しくて。
不出来なボクに、
厳しく接してくる。

でも。
そんなボクの、
精一杯の努力を見守る目は、
ホントは優しくて。

どんなに焦がれても、
眩しくて、
手は伸ばせない。
アイツの瞳。

だから、ボクは、
出来の悪い後輩の仮面を被って、
明日もこの気持ちを、
必死に隠すんだ。

8/1/2025, 12:32:31 AM