徒花

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「愛を注いで」

濁ったガラス瓶に甘いカクテルが注がれると
たちまち色は澄んでいき、ピンクやオレンジといった暖色に染まっていく。

注がれた液体は特別なものだった。
通常、新たな色が増える度、色は混ざり濁っていく。
瓶の液体は常に色々な色の様々な液体が注がれている。
それは留まることを知らない。
沢山の液体が注がれれば注がれるほどいろは混じり、瓶は汚れていく。

しかし、それもあのカクテルが注がれるだけで
汚れは落ち、瓶は暖かな色に染まっていく。

それは、そのカクテルだけが持つ特別な力である。
そのカクテルはお金で買うことができない。
手に入れることが難しい貴重なカクテル。

そのカクテルは贈られる人の為に1から作られるオーダーメイド品である。
味も色味も毎回変わるオリジナルで、そのカクテルには送る人の心が入っている。
それは他の誰にでもないその人の為のカクテル。

そのカクテルの名は、「愛のカクテル」

12/14/2022, 9:18:11 AM