まだ何も知らぬ
幼子だから
この世の全てが
興味深く、美しく見えて
たくさんの愛に包まれて
大切に大切に守られてきたから
人の醜さを
疑うことを知らぬ
無垢でいとけない
愛されるべき生きもの
それでも
無垢であるからこそ
ものを知らぬからこそ
そのむき出しの本能は
幾重にも纏う
煌びやかな衣の奥に隠された
浅ましき本心を
嗅ぎつけ、見透かす
それが何かもわからぬのに
必死に隠した私の醜さを
いとも簡単に見つけてみせる
そしてその無垢な瞳で問うのだ
それはなにか、と
答えてもらえると
疑いもせずに
「見つめられると」
3/28/2024, 8:43:28 PM