眠れないほど
私は貴方を愛していた。けれど、それはあの頃は許さ
れない恋だった。ずっと愛していたのに。私の身分で
は愛せない人だった。そして、先週彼女が亡くなっ
た。それ以来私の夢には彼女が出てくる。そして最後
には必ずいなくなってしまう。私はその夢を見るのが
怖かった。あんなにも愛していたのに。今の私は貴方
に会いたくなかった。あの頃の私は眠れなくなるほ
ど、貴方のことを考えていたのに。今となっては夢の
中で貴方に会いたくない私は眠れない。今でも私は貴
方に縛られている私はベッドの上でそう実感しながら
左手の薬指にある銀色の輪を見つめていた。
12/5/2023, 11:31:59 AM