かつての飼い主はひどい人だった。
エサはほんの少しだけ
お腹いっぱいなんて体験したことがない。
水だってろくに変えてくれない。
でも大きな手で優しく撫でてくれた。
同じ寝床で大きなイビキを
聞きながらうつらうつらする夜が好きだった。
今のご主人はきっといい人だ。
エサは高級。
水には何やらビタミンがうんたらと言っていた。
でもぼくステータスとしている。
幸せなのかもしれない。
撫でるのだけがうまい飼い主は
寒々しい段ボールの上で動かなくなった。
彼のそばを離れたくはなかった。
一緒に行けたらよかった。
ぼくは
幸せではない。
ぼくたちみたいな可哀想な動物を
集めた場所で
今のご主人と出会った。
目が綺麗と喜んだお嬢さんに
ご主人は「毛艶はなぁ、まぁ餌を食わせりゃ」と言って
ぼくを連れ帰った。
お嬢さんはぼくのことを
きっと大事にしてくれている。
だけど、ぼくは
幸せではない。
幸せになってはいけない。
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何がしたかったんだろうなぁと
書いて、読み返して
思うけど、ワカンネ!
かつてのご主人を裏切りたくない動物。
最初猫のつもりだったのに
いつしか頭の中には犬がいた。
ぼくという一人称と
忠犬のイメージからかな?
不思議な感覚を味わったなぁ。
続きというか
普通に書き直すかもしれない。
ご主人はと飼い主はわざと
書き分けてるんだけど
対等か服従かみたいな違いを描きたかった。
2/14/2025, 12:38:24 AM