書上 創

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春の花が咲く季節、暮れゆく茜色の空を君と見ていた。
季節は過ぎ去ってゆく、駆け足で。

そんな慌ただしい季節の移り変わりを、君と眺める日々。
時の針は元に戻りはしないけど、君と共に過ごす時間が進むのを嫌だと思ったりはしない。

こぼれ落ちてくる桜の花弁を手で掴んだ、それを君に渡したら、綺麗だねなんて言葉を返して笑う。
散りゆく桜の花吹雪に、君の後ろ姿を見ている。
その手を取ったのは、君がその桜の花吹雪に消えてしまいそうだったから。

3/22/2025, 6:19:43 AM