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マリアは温度を確かめるように、おそるおそるお湯に手を入れた。
「ウーン、ちょっと熱い。こういうとき日本語ではナンテ言うんだったかな…そう!微熱デス!」

思いがけない答えに真弓はクスりと笑い、マリアに続き温泉に入る。
「微熱って!ワードチョイスおもしろ。うん、ぬるくはないけど、熱すぎもしなくてちょうどいい。いい湯。」

真弓の答えに、マリアは不服な表情を見せた。
「エ。微熱ってちょっと熱いの意味デショ?違うの。」
「物には使わないよ。大抵は人相手に使うことが多いかな。風邪引いたけど微熱だった、みたいに使う。」
「フウン。じゃあ、ちょっと確かめさせて。」

そうしてマリアはおもむろに、真弓の頬を両手で挟んだ。
「ななななな何するのマリア!」
「ンー?真弓が微熱かどうか確かめてるの。温泉入ってるから、ほっぺも温かいね。これが微熱、ってヤツ?」
「いや知らないし…」

突然頬に手を添えられ綺麗な目で見つめられる衝撃に、真弓は顔が熱くなるのを感じた。
「アレー?さっきより熱くなった。これは微熱間違いなしダネ!」
「もうそれでいいから手を離してぇ…」

微熱どころではない熱を感じながら、真弓はマリアをからかったことを後悔するのだった。

11/26/2023, 11:46:28 AM