noname

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目の前に人っぽい何かがいた。
パッと見同年代の男に見えるが、よく見ると目っぽいのがおでこにもう2つあるし、触れたらひとたまりもなさそうな真っ赤な爪が伸びている。首に口っぽいのもある。てかちょっと溶けてる。
別に襲ってくるってこともなくて、むしろアイツも戸惑っているように見えた。アイツからしたら俺の方がアイツっぽい何かなのだろうか。なんてぼんやり考えていたら首の口が動いた。

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…たぶん、なんか言ったんだと思う。なんだろう。これは、なにか言うべきだろうか。

「こんにちは。そこから話すんだね。」

なんかアイツめっちゃ動揺してる。アイツもこっちの言葉わかってないのか。

あれから数時間が経ったと思う。俺たちはすっかり仲良くなった。ぶっちゃけ何言ってるか分からないけど、楽しく会話できてる。意外と何とかなるもんだ。

「Bt1sm@…これどう?」
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ヤツは驚いておでこの目を見開いた。そっちが動くんだな。

<か、ずま…5vtjndw?&>
「あ、俺の名前。」



『いつもよりかっこよく聞こえたと彼は言う』

7/20/2024, 12:23:26 PM