鏡よ、鏡よ、鏡さん
この世で1番美しいのは誰?
さて、鏡で何かを知ることが出来たなら、
あなたは何を知りたいだろうか。
今はスマホで何でも調べられるからそんな鏡は必要ない?
確かに今は昔と違って何でも調べればわかる。
とっても便利な時代です。
ならば、逆にスマホでなんでも分かってしまう今だからこそ色んな事を教えてくれる鏡があったなら。
あなたは鏡を使って何を知る事が出来るだろうか。
そう、スマホとか使って知る事の出来ない国家機密や世界の裏側なんかを見れてしまえるって思えたら怖いけど気になってくる。
身近なところであれば、好意を抱いている相手は誰が好きなのだろう。とか
些細なことであれば、夕飯は何か早く知りたい。だとか
「待てよ?鏡を使って女子の覗きなんかいいなぁ…」
教室がざわめく、今は授業中だ。
国語の女教師が呆れた顔でこちらを見ている。
ああ、やらかしてしまった。
思っていることを口にしてしまっていたらしい。
顔から火が出る、とはこのことか。
凄く恥ずかしくて顔が熱い。
なんだ、なんだ、自分のとこだけ昼間のエジプトかよ。暑すぎるにも程がある。
どうやら、水分補給の心配をしている暇もなく教師とクライスメイト達からの刺すような視線で頭の中が真っ白になる。
お前らは膨らんでトゲトゲしたフグか、もしくはえげつない量の針を身にまとったウニかよ。痛いよ。視線が。
「すいません!なんでもありません!強いて言うなら、思春期特有の独り言っていうか…」
呆れたように教師は溜息をつきつつも授業を再開し、まわりのクラスメイト達は黒板へと顔を向けた。
どっと疲れた。
自分で思春期とか言ってしまうのもどうかとも思うのだが、それよりも制服が汗でびっしょりである。
サウナに行かずともこんだけ発汗作用ばりばり働かせられるのなら整うまであと2回くらいはやってみてもいいかもしれない。
いや、そんな訳ない。懲り懲りだ。
廊下側の少し離れた席に座ってる幼なじみだけがこちらを見てニヤリと笑っている。
やめてくれ、お前も皆みたいに黒板もしくは先生のでかい胸元をかじりつくように見とけ!
なんだろう。今日は時間の流れが遅く感じる。
そういう日って月に何回かあるよな。
早く帰りてぇ…
8/18/2022, 8:47:24 PM