「お土産を買って来た」
そう言う貴方の右手には。
わたしの好きなケーキ屋さんの可愛いボックスが。
「わぁ、ありがとう!待っててね、今紅茶を淹れるから」
弾む気持ちを抑えきれず、軽やかな足取りでキッチンへ向かった。
二人暮らしを始めたばかりの頃、一緒に選んだ可愛いお皿とティーカップ、そしてミニフォーク。
「お前のはこのチーズケーキとシャインマスカットのショートケーキ。俺のはモンブランとガトーショコラだ」
此処のチーズケーキがお気に入りなの、貴方はちゃんと覚えてくれてる。
だから、お礼に今日の紅茶はアールグレイにしたよ。
ベルガモットの爽やかな香りがカップから広がり、貴方とわたしの鼻腔を擽る。
「お前が淹れてくれた紅茶、濃さも丁度良くて美味いな」
茶葉を少し長めに蒸らしてから、ゆっくり注ぐの。
それが、貴方好み。
「ふふふ、マスカットが甘くて美味しい」
わたしが風邪気味だから、このケーキにしてくれたのかな?
お付き合いして日が浅い頃、熱を出したわたしの為に貴方が買って来てくれたのは、冷やしたシャインマスカットだったね。
以来、わたしの体調が今一つの時は決まってシャインマスカット味のものを買ってくれるようになった。
ゼリーやシャーベット、グミやシュークリーム。
わたしの誕生石であるペリドットと同じ色の、シャインマスカット。
貴方の限りない優しさで、みずみずしく輝いてる甘い思い出達。
My sweet memories…。
5/17/2026, 1:56:53 PM