「もうおひさまが高いとこにいますよ〜」
甘い声に導かれて目を開けると、恋人が俺を見つめてくれていた。
「おはようございます。凄くよく眠っていましたね」
彼女から朗らかに言われて気がつく。
そう言えば、ひとりの時は夢を見て深く眠ることが少なくて、それが悩みのひとつだったな。
「おはよ。よく、眠れたみたい」
「うふふ、それなら良かったです」
まるで猫がゴロゴロと喉を鳴らして擦り寄るみたいに彼女が俺に寄りかかる。
ああ、この温もりが心地いい。
彼女を抱きしめながらもう一度瞳を閉じる。
「また寝ちゃうんですか〜?」
彼女の声が遠くなる。
甘やかな香りと体温に幸せを感じながら意識を手放した。
おわり
六一四、海の底
1/20/2026, 1:24:23 PM