27(ツナ)

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沈む夕日

同級生が死んだ。
昨日まで普通に生活して普通に生きていたのに、突然この世界から居なくなってしまった。
友達と呼べるほど親しかった訳じゃないけど、無関係と言う程の仲でもなかった。
友達同士の集まりにたまたま居て、少し話したり、すれ違った時に軽く挨拶を交わす、その程度。
だけど、一瞬の交わりでも彼女の存在、体温、息遣いは私の中に残っていた。

私はあまり感情的な人間じゃなかったから、テレビで誰かが亡くなったニュースを見てもドラマで誰かが死ぬシーンを見ても何も感じなかった。
そんなふうだったから、彼女の死も驚いたけど、きっと感情は動かないんだろうななんて思っていた。でも違った。
彼女の死を知った日もその次の日も次の日も、ずっと心に残り続けた。
自分でもどうして彼女のことがこんなに忘れられないのかわからなかった。

共通の友人との帰り道、
「あの子の死をずっと忘れられないんだ。」と相談すると友人も「同じ」だと言う。
河川敷から沈んでいく夕日を眺めながらふたりで涙を流しながら歩く。
「…でもね、夕日が沈むと、月が出て、月が沈んで太陽が出てまた新しい1日が始まるでしょ?…私たちはまだ生きてるから、少しずつでも前を向いてまた新しい1日を進んでいかなくちゃいけない。いつまでも囚われてちゃダメなんだ。そろそろ、前向いて歩かないとね。」
友人のその言葉に、私の中でずっと止まったままだった時間が動き出した。

4/7/2026, 11:09:53 AM