永眠

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つまらないことでも

頭の悪い人間ってのは、どうしてこうも自分の話ばかりしたがるんだ。武勇伝、過去の栄光、不幸自慢。つまらない話ばかり。だが、僕は笑顔で快く、それを受け入れなければならない。優等生だから。



「あなた、笑顔が下っ手くそなのね。」

「は?」

思わずドスの効いた声が出てしまったことを許して欲しい。そして笑顔が引きつったことも。初対面でこんな悪口を言う奴がいるのか。なんなんだこの女は。
「失礼ですね。もともとこういう顔なんです。」
こんな奴にも、大人な対応をしなければならない。なのにこの女は「はぁ?あなたの方が失礼でしょ。人が話しておいて、なにその張り付いた笑顔。」だと...。あんたの話がつまんないんだよ。むかつく。

「やけに不服そうな顔してるわね。そっちの方がいいわよ。面白くって。」
空いた口が塞がらない。本当になんなんだこいつは。
「あなたって、全てがつまんなくて仕方がないんでしょ。でも今のあなたは、少なくともつまんなくはないでしょ。」

ああ、そうだよ。つまんなさより、怒りの方が勝ってるからね。ああ、そっか、つまんなくないのか。
「ふふ。気づいたようね。」
つまんなくないって調子が狂う。


「まあ、つまんないこともないかな。」

8/5/2023, 10:23:02 AM