七シ

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「顔は可愛いあの子。」


いつも思う
あの子は可愛い。

あの子は他の子と違って可愛い愛嬌のある子、それに頭もそんなに悪くない。

友達も多いし人気者。きっと、あの子に憧れている子も少なからずもいるだろう。
それに…

あの子に好意を寄せている子も居ると思う。
本当に凄い存在だ。


「あの子になりたい?」と聞かれたら、なりたくはないけれど。













「ねえ、彼奴ってちょっとやばくない?」

可愛いあの子は言う。


「貧乏だから制服もお下がりでボロボロらしいよ?お風呂もたまにしか入ってないって。ちょっと……いや、凄く可哀想だよね〜?


だからあたし、そいつの体綺麗にしてあげようと思って…トイレ行った時にその上からバケツの水浴びさせてあげたの!」

それはいつも独りぼっちで居るクラスメイトの話だった。

「そしたらそいつさ、キャッ!って言ったの!まじウケない?面白かった〜」

笑いながら言っていた。
その笑顔はとても可愛いかった。

「えーなにそれ、笑えるね。」

愛想笑いをしながら私は答える。

こんなに可愛い子が虐めをしているなんて、誰も知らない。
知っているのは1人、私だけ。



本当に、あの子は可愛い
そう思う。

…けどあんな裏表激しい女、私は絶対になりたくはない。
簡単に言うとあの子は私のアクセサリーなのだ。

仲良くしていたら私は嫌われる事はない。それにあの子の機嫌取りをしたらもっと仲良くなって私の評価も上がるだろう。

もっともっと仲良くなって、もっと人気者になっていきたい。




案外私も可愛いあの子と似たモノ同士なのかもと思い、ふっと笑ってしまった。


「ねー、どうしたの?なんか面白い事考えてたの?てか、私の話ちゃんと聞いてた?」

可愛いあの子がそう言って私の顔を伺ってきた。
彼女の顔が少し強ばっている。まずい。

「ん?何もないよ、それよりもまだその子の面白い話聞きたいな。気になるからさ」

にこっと笑ってみた。そしたらあの子は

「え、本当に?あのね!」


と、またその子の話を始めた。










本当、顔 "は"  可愛い。

11/15/2025, 4:24:55 PM