よく来たな、娘よ。さぞ驚いたであろう。
怖がらずともよい。ここでは、誰もそなたを害さぬ。
聡いそなたならば、とうに気づいたはずだ。
わたしがそなたをここへ呼んだ理由に。
そなたの父も母も、最早そなたを愛してはおらぬ。
そなたが戻っても、誰もそなたを覚えてはおらぬ。
泣くでない。泣くでないぞ、娘よ。
彼らがそなたに為したことは、決して許されてはならぬ。
わたしがそなたを、そなたを害する者から護ってやろう。
そなたの瞳の中の涙を、ここで癒すがよい。
さあ、あれが見えるか。
あれはそなたと同じ運命に生まれた子供だ。
見よ、楽しげに踊っている。心の澱を解き放って。
そなたも、あの子と共に踊るがよい。
娘よ、わたしは祈ろう。そなたらのために。
踊れや踊れ、愛しき子。美しき旋律が、そなたに囁く。
9/7/2023, 1:10:12 PM