霧つゆ

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 鈍く低い音が目の前で鳴った。爆発音に近いようなパンクしたような音。地をガリガリとタイヤが齧り付くように音を立て、ガードレールに車体が当たった。

 やけに心臓の音が近くて、自分の息遣いがよくわかった。本当にカヒュというような、震えているようで、正常なものではなかった。
 足が震えて、立っているのか、ぐらついているのかわからないくらい感覚が鈍っていった。

 「あ…え…?」

 周りの大人が、私の肩を揺すり

 「君!怪我は!?」

 と、言われるまで私はただただ、理解が追いつかない頭と、前にも出れない足を硬直させ、倒れ込む友人を見ていた。

 「」

 ハクハクと口を動かしても声は出なかった。

 私と友人の最後の思い出は一方的であり、私だけに残していった。

No.18 _突然の別れ_

5/19/2024, 2:27:09 PM