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拝復

暦では春と言いつつも、春の気配はまだ感じられず、星は一層澄んで見える頃でございます。

先日のお手紙、静かな夜にゆっくりと拝読いたしました。
星空を宝石箱に喩えられたお言葉はどこか夢のようでまた、どこか懐かしくもあるようなもので、ふと、私も空を見上げた次第です。

貴方が感じられた星の輝きを私も感じられているのでしょうか。できることなら毎夜、貴方と肩を並べて星を見たいなど願う私は欲しがりなのでしょうか。

けれども、星をすべて私への想いの欠片とおっしゃるのなら、夜は少々明るくなりすぎるかもしれませんね。

お手紙はどうぞ、思い立たれた折にまたお寄せください。
貴方のお言葉を読むひとときは、忙しい日々の中できらりと光る流れ星のように感じます。貴方と共にいたいというのは貴方のお言葉から感じているのか、はたまた流れ星への願い事なのか、貴方はどちらだと思われるでしょうか。


この星の降る夜に貴方の頬を涙が伝い、貴方には星が見えていないのかもしれない。
私は貴方の頬を伝う涙を拭うことも、ましてや貴方の涙ぐむ姿を見ることもできぬのです。私にできるのはこうして筆を取ることだけなのです。
許しを乞うことはございません、ただもし、私の言葉が貴方という星を照らす光となれるのならば、これ以上幸せなことはございません。

貴方の一生の光となることをここに誓います。


まだ夜は少し冷えますゆえ、どうぞご自愛くださいませ。
またのお便りを楽しみにお待ちしております。

敬具

3/15/2026, 5:23:14 PM