葉月

Open App

「手をとりあって」

 若い頃、老人向けの懐かしい歌謡番組がよく放送されていた。最近、私も老人向けの懐かしい番組をよく観る。今年になって、坂本龍一さんが亡くなった。若い方はご存知ないと思うが、坂本さんは『戦場のメリークリスマス』という映画のテーマを作曲し映画にも出演した。青春の思い出として、あのメロディは焼きついた。
 歳をとると十代の頃の懐メロは、何度も心に浮かんで来る。新しい記憶は努力しても、さっぱり増えないが、昔の記憶は鮮明だから不思議だ。
 さて『手をとりあって』クイーンの曲だ。検索して歌詞を読み直してみた。フレディは自分の死を予感していたのかもしれない。そんな事を想像させられた。クイーンは日本に対して何か特別な思いがあったようだ。「手をとりあって」このフレーズは日本語で歌っている。
 私は、エルビス・プレスリー世代、ビートルズ世代の後にやってきたクイーン世代の一人だ。何があれほど熱狂させたのか?それは、わからない。ただ十代の青春時代であったとしか言えない。フレディの歌声に恍惚となった。
 『手をとりあって』の歌詞は、心を熱くさせる。そして人生という時の流れの早さに驚かされる。フレディが亡くなったのは45歳で、あまりに早く駆け抜けていったロックシンガーの一人だった。日本では不思議な事に第二、第三の短いクイーンブームがやってきた。
 良い音楽は、世代をこえて愛され続ける。そう思うと嬉しかった。いまもいろいろなシーンで、ふいにクイーンのメロディ、フレディの歌声に出会う。
 いま若い人が、この時代の何に熱狂しているのか、わからない。けれど、いまのこの時代の空気を吸って生きている若い人しか、わからない何かがある。それを大切にして欲しい。あなたが残した良いものは、時代を超えて残るだろう。フレディの歌声のように。  

あとがき

 FUJII KAZEの『HELP EVER HURT COVER』が好きだ。懐メロばかりで老人には、たまらない。



7/14/2023, 2:12:15 PM