せつか

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可愛いから。
懐いてきたから。

そんな安直な理由で部屋に招き入れた小さな命。
膝に乗せて、お腹を撫でて、ろくに調べもしないで買ってきたキャットフードを与えた。
何日かして、怪我をして外でうずくまっている姿にパニックになった。
どうすることも出来ず、ようやく縋ったところでも助からないかもと言われた。

考え無しで命に手を出した、大きすぎる代償。
何十年経っても消えない罪悪感。

私にはもう、あのぬくもりを求める資格は無い。


END


「ぬくもりの記憶」

12/10/2025, 2:59:36 PM